憧れの本沢温泉１

　狭い湯船に自分が入る分だけ蓋の板を外して白濁のお湯につかります。ほんのり硫黄の香りがしてなんとも温泉気分が盛り上がります

　たまらずお湯の中に潜ったらりジャンプしたり年甲斐もなく一人はしゃぎです。遠くには明日登る硫黄岳山頂が見え、その手前には火山爆発で出来た爆裂火口がバックリ大きく山肌を割いてこちらに向いています。

　日本最高地点2,150mの露天風呂ついにGETだぜ！一人足を投げ出し硫黄岳をバックに写メをパチリ！僕もずいぶん色々な秘湯に入ってきましたが、ここまで野趣あふれる露天風呂は無かったな～そんな感慨に耽ってしみじみしていると、何やら後方でガサゴソガサゴソ音がします。-出たか熊！-クッマー！

　恐る恐るうしろを振り返ると、なんと3匹が3m手前まで迫ってきている。ヤバーでた～どうしよう～とお湯の中で小さくちじこまって居ると、熊が「すいませーん蓋外していいですか？」

　なんと人間の声が。それも女子・・・・「まてよここは露天風呂。天下の最高地点で有名な雲上の湯。そうだよな～入りに来るよな～」そう自身で瞬時に判断して「あっどどうぞ」

思わず「僕がやりましょうか？」なんていうサービス精神だ・・・・！相手は3人しかも女性・・・かなう筈はないと本能で感じ取り、思わず下でに出たのか～

「いいえ自分でやりますから」といって、ガタコト湯船の蓋を外して広く使えるようにしている。どうやら女性3人なのだ。僕は依然硫黄岳の方を向いてのんびりしている体を装っている。